「2004年エネルギー起源二酸化炭素排出抑制技術率先利用試験補助事業」採択について

--九州初本格地中熱利用ヒートポンプシステム利用空調設備--

2004年7月29日

株式会社ワイビーエム


 かねてより地中熱利用システムに取り組んできた弊社では、佐賀県より募集された「エネルギー起源二酸化炭素排出抑制技術率先利用試験補助事業」へ「地中熱利用ヒートポンプシステム」を応募し、このたび採択されました。

地中熱利用ヒートポンプシステムによる
空調設備を設置する
ワイビーエム岸山工場事務所
地中熱採熱井戸敷地を予定している
ワイビーエム岸山第二工場前駐車場

 現在、一般の事務所や家庭では、室内と、室外の間で熱の移動を行い室内温度を調整する仕組みを持つ「ヒートポンプ」を使った空調設備が広く普及しています。「地中熱利用ヒートポンプシステム」は、一般に熱源として使われている大気の替わりに、大地(地中熱、地下の温度)を利用するシステムです。
 一般的なヒートポンプを使った空調システムでは、冬の寒い時期は冷たい外気の中から室内を暖めるための熱を取り出し、夏の暑い時期は室内の熱を熱い外気の中に排出します。
 本システムにおいては熱源を、「冬冷たくて、夏暖かい大気」の替わりに、体感的には、「夏涼しくて冬暖かい(年間を通してほぼ一定の温度)を保っている地下」を利用することにより、人間が快適と感じる室温との温度差が少ない熱源が得られるため熱の移動に伴う消費エネルギーを抑えることが可能となります。
 このように高効率なシステムであるため、スイスを筆頭にアメリカなどの諸外国においては、空調システムの一つの手段として認められ、このシステムは今まさに本格的な普及期に入ろうとしています。

夏季 冬季
夏場のヒートポンプ 冬場のヒートポンプ

 今回の採択事業では、国内において省エネルギーシステムとして採用が始まりつつある暖房の比重が大きな寒冷地での利用のみならず、温暖な気候をもつ九州地区で夏場の冷房システムとしての実用性、省エネルギー、二酸化炭素排出抑制、ヒートアイランド現象低減が可能であることを実証することを目的として、弊社岸山工場事務所においてこの「地中熱利用ヒートポンプシステム」を設置します。
 なお、宮崎県で温水プール用としての設置実績はありますが、九州内で、本格的な事務所冷暖房用途として地中熱利用ヒートポンプシステムが採用されるは初めてです。
 現在、10月稼動開始を目標にこの事業を進め、今年の冬から来年夏にかけ今回のシステムの実用性がある程度証明できるのではないかと思っています。

 今回の「地中熱利用空調システム」の工事の模様は当ホームページにて公開いたします。また、このシステムの効率、省エネ性をご確認していただくために、地中熱の採熱量や、電力使用状況を公開いたします。ご来場くださいますようお願いいたします。

地中熱採熱井戸掘削全景 低騒音急速削孔機ECO-13VIIsによる
地中熱採熱井戸掘削状況

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