エネルギーの供給

実際私たちが周りで何気なく使っているエネルギーを数字の面から追っていくと面白い発見があります。
最近、燃料電池を使った自動車が話題になるのも、太陽光発電風力発電が現実には従来のエネルギーと比べどの程度のポジションを占めているのかここで上げている数字を見るとわかってきます。

エネルギーの供給グラフ

資源エネルギー庁が発表している「2000(平成12)年度におけるエネルギー需給実績(確報)」によると、石油、石炭、天然ガスからのエネルギー供給が、全体の83%を占めこの化石燃料の使用を抑制することができれば温室効果ガスの排出の削減が大きく進みそうです。

発電に関する二酸化炭素の排出原単位は、電力中央研究所発行の「電中研ニュース338」によると、石油火力:704、石炭火力:887、LNG火力:478、LNG複合:408(いずれも発電燃料燃焼に伴う発生量)となっています。総合エネルギー統計で推移をみると排出原単位の高い石炭火力からLNG発電に比重が移ってきているため二酸化炭素の排出の抑制がある程度までは見込めそうです。
しかし、水力・地熱などの発電時に二酸化炭素が排出されない再生可能な自然エネルギーによる発電の割合が相対的に下がってきていることが心配されます。

エネルギーの消費

温同じく資源エネルギー庁が発表している「2000(平成12)年度におけるエネルギー需給実績(確報)」によると、現在のエネルギーの消費を「産業部門」、「運輸部門」、「民生部門」の3つの部門でわけて見てみるとそれぞれの消費割合は以下のグラフのようになります。

エネルギーの消費グラフ

産業部門におけるエネルギー消費は、省エネルギーが直接省コストにつながるため一般にはエネルギー消費を積極的に増大させる理由は少ないようです。また、産業構造の変化もあり1960年から1970年代の重化学工業が産業の花形であった時代に比べると現在ではエレクトロニクスなどの比較的エネルギー消費の少ない産業へと軸足が移ってきていることも幸いしエネルギー消費量の増加率は鈍ってきています。これに伴い二酸化炭素の排出量の増加も鈍化しています。

運輸部門におけるエネルギー消費の増加率は、より便利な生活を求めるライフスタイルの変化に伴い、自家用車の普及、小口運送の増加などエネルギー消費効率のいい船舶や鉄道の利用割合が減り、エネルギー消費は年々増大しています。この部門では、特に乗用車部門でのエネルギー消費の伸びが高く年を追うごとに二酸化炭素の排出量が増えてきているようです。

家庭内のエネルギー構成グラフ

民生部門に目を移すと、エアコンの普及や家電製品の大型化、多品種化など、生活様式の変化に伴いいエネルギー消費増加率ののびはあきらかに増加し、これに伴い二酸化炭素の排出量も増えてきています。つまり、快適な生活はエネルギーの消費を増大させる要因になってます。このような理由から特に民生部門での二酸化炭素排出量の抑制のためには何ができるかが問われてきています。

「2000(平成12)年度におけるエネルギー需給実績(確報)」によると、家庭でのエネルギー消費の内訳で、冷暖房と給湯をあわせると全体の約6割となりエネルギーを熱として利用するケースが際立って突出しています

ページ上部へ